もしかすると宮崎駿監督に叱られてしまうかもしれませんが、それでも私にとっては、空に浮かぶ城という異質な存在感と独特のフォルムに心惹かれずにはいられないのです。まるで重力という束縛から解放されるかのように、大地を離れ、自由に大空を飛び回るその姿は、初めて目にしたときから私の胸を大きく震わせました。
地上に縛られた日常生活の窮屈さから抜け出し、新たな世界へと飛び立つ高揚感。それは何にも代えがたい魅力を放っています。この作品には、未知なる空間へ踏み出す喜びと同時に、私たちが抱える重苦しい現実から逃れたいという潜在的な欲求が、ファンタジーという形で凝縮されているように感じられるのです。
もし本当に空に浮かぶ城があったなら、そこは夢と憧れの象徴であると同時に、人の営みがどこまでも広がっていける可能性を示唆する場所でもあるでしょう。想像の翼を広げ、人類がより自由な場所へと歩みを進めることができるかもしれない—そんな淡い期待や願望が、今作には詰まっています。